1/2【極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)】うつ病を克服したストレリチア
極楽鳥花。また名前でジャケ買いしてしまいそうな名前だ。
どうして植物の名前は、こうカッコいいのが多いのか。
今回はうちの極楽鳥花(ストレリチア)が大復活を遂げたので、その復活劇を書いてみようと思う。
(復活した極楽鳥花)
うちの極楽鳥花は育て始めてもう10年くらいになる。おそらくうちにある植物の中の最長老だ。
こいつが始めてうちにやってきた時、あの鳥みたいな花が咲いていた。嫁が近所の花屋で「面白いから買ってきた」と言って持って帰ってきて、俺もその花の異常さに感銘を受けた。
だが、その頃は植物の育て方がよくわからず、興味もなかったので部屋の中のゆるい陽が差す場所に置き、たまにチョロチョロと水をやる程度だった。
いつの間にか花も付けなくなり、葉は弱々しく数も減っていった。
ストレリチア・オーガスタ(だったと思う)は、もうオーガスタなのかレギネなのかもよく分からない風貌になっていった。
相変わらず部屋の中でヒョロヒョロになっている極楽鳥花を、俺は見て見ないフリをしていた。植え替えをするにも巨大で労がかかるし、もうこいつはこのままずっと姿を変えず、花のことも忘れちゃったんじゃないかと思い込んで。
だが去年の夏、俺は一大決心をして、極楽鳥花を植え替えてみようと思った。葉は割れ、色艶も悪く、このままでは死んでしまうのではないかと恐怖したからだ。
実はうちの極楽鳥花は、買ってから一度も植え替えをしていなかった。
だから植え替えれば何とかなるかな、と軽い気持ちで植え替えを決行した。
しかし鉢から極楽鳥花を抜き出そうとして俺は愕然とした。
ド太い根が鉢を圧迫しまくり、ビクとも動かないのだ。
極楽鳥花(ストレリチア)は根に水を蓄えて乾燥に強い性質があり、根が異常に発達する。だから定期的に植え替えなり根の整理なりしないといけなかったのだ。
いくら鉢を叩いてもうんともすんとも言わないので、仕方なく俺はノコギリでプラスチックの鉢を割った。
根が何本かノコギリで切れてしまったが、何とか鉢と極楽鳥花は分離し、植え替えも完了した。